アメリカで暮らしていると、日本ではほとんど使わなかった決済手段に出会います。小切手(Check) と、マネーオーダー(Money Order) です💵

小切手とマネーオーダー、何が違う?

小切手は、自分の銀行口座と紐づいた「この金額を払います」という紙。受け取った側は銀行に出して初めてお金が動くので、「口座にちゃんとお金があるはず」という信頼の上に成り立っています。残高が足りなければ不渡り(bounce)です。

一方のマネーオーダーは、買う時点で現金を払い込んでいる金券のようなもの。発行元(USPS や Western Union など)がお金を預かっているので、不渡りがありません。だから、受け取る側にとっては小切手よりずっと確実な決済手段なんです。

小切手(Check)マネーオーダー
お金の裏付け銀行口座(あとで引き落とし)購入時に前払い
銀行口座必要不要
不渡りのリスクありなし(偽造を除く)
準備する場所自宅で書けるUSPS・Walmart などに買いに行く
支払い方法―現金かデビットカード(クレジットカードは不可が基本)
手数料・上限なし$1〜3 程度/1枚 $1,000 まで

買いに行かないといけない、のがちょっと手間

小切手は自宅で準備できますが、マネーオーダーは 買いに行かないといけない ので、少し手間なんですよね。USPS(郵便局)は手数料が少し高いですが、その場で郵送まで完了できる のがメリットです。また、郵便局のマネーオーダー(Postal Money Order)には有効期限がありません(ほかの発行元のものは、一定期間換金されないと手数料が差し引かれる場合があります)。

💡 買うときに気をつけること

受取人(Pay to the order of) と 金額 は、指定どおり正確に。1セントでもずれると受け付けてもらえないことがあります。控え(レシート) は、入金確認や紛失時の手がかりになるので、手続きが終わるまで取っておきましょう。詳しくは 生活ガイドのマネーオーダー にまとめています。

領事館の出張サービスは、なぜ「マネーオーダーのみ」?

たまご家が住むノースカロライナは アトランタ総領事館 の管轄で、パスポートの更新などは年に数回の 領事出張サービス を使います。この支払いが、いつも 「マネーオーダーの事前郵送のみ」(個人の小切手=パーソナルチェックは不可)なんです。

一方で、オンライン申請をして領事館の窓口で受け取る場合は、日本政府の国庫納付システムを通して クレジットカードでの決済 ができるようになっています(アトランタまで行くのはちょっと大変ですが!)。じゃあどうして事前決済をしておいて、出張サービスでパスポートや証明書を受け取るのはだめなのかな、と前から気になっていたんです。

調べて分かったこと

まず大前提として、パスポート発行などの料金、いわゆる 領事手数料 は、「交付を受ける際に納める」と旅券法で定められています。日本でパスポートを受け取るときに収入印紙を貼るのと、同じ発想ですね。つまり、前払いも、後払いもできない。現物を渡す、その時点で決済しないといけないんです。

え?クレジットカード決済って事前に決済してるんじゃ?と思いますよね。実はオンライン申請のクレジットカード決済は、申請時に決済が済んでいるわけではない んです。オンラインで登録するのはカード情報だけで、実際にチャージされるのは 窓口でパスポートや証明書を受け取る、その時点。「交付の際に納める」の原則どおり、領事館の窓口で国庫納付システムを通して決済しているんですね。

ただ、その決済システムは 出張サービスの会場にはない わけですね。同様に、出張サービスが終わってから領事館に戻って事後決済、というわけにもいかない(「交付の際」ではなくなってしまう)。だから、同じオンライン申請を使っても、出張サービスではクレジットカード決済ができないわけです。

かといって、会場にアメリカの決済端末を置いて米ドルで決済するわけにもいかない。カード決済手数料をどうするの、ということになるからです。これは領事館の裁量でどうこうできることではないんですね。その点、日本の国庫納付システムの場合は、国が指定した代理業者と国レベルで契約していて、決済手数料の扱いが最初から整理されている。だから利用者はカード決済手数料なしで使えるし、領事館も個別に悩まなくていい、ということのようです。

出張サービス現地での現金払い、も理論的には通りそうですが、職員が大量の現金とお釣りを持って移動することになり、防犯上の問題がある。最後に残るのが、米ドルで確実に回収できて、不渡りもないマネーオーダー、というわけです。

ここでマネーオーダーの性質が効いてきます。マネーオーダーは買った時点で現金が払い込まれている、現金相当の紙。だから領事館は、郵送で受け取ったものをすぐ換金せず、手元に置いておいて、パスポートを渡す時点で「受領」として決済できる(来なければそのまま返せる)ようです。これなら「交付のときに納める」という決まりとも両立します。小切手だと、銀行口座の残高に依存するので、こうはいきません。

「事前郵送」なのは、金額の不足や受取人のスペル違いといった不備を 当日ではなく事前にチェックしておくため、のようです。年に数回しかない出張サービスで、遠くから来た人を書類の不備で追い返さないようにする、という配慮でもあるんですね。

利用者からすると「事前に郵送して、当日も現地に行く」の二度手間に見えますが、国のお金を1セントの狂いもなく回収することと、せっかく来た人を追い返さないこと。その両方を満たす落としどころが、マネーオーダーの事前郵送、ということのようです。

手間だけど、確実

というわけで、次の出張サービスの案内が来たら、また郵便局にマネーオーダーを買いに行きます。ちょっと手間ではありますが、理由が分かると、まぁそうだよね、と思えるようになりました🥚

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